厚生労働省は、2019年度から「介護事業所の優良認証制度」を開始しました。

この制度は、介護業界で深刻化している人材不足を解消するために、働きやすい介護事業所を評価するものです。

具体的にどのような事業所が認証の対象となるのか詳細が公表はされていませんが、人材の育成（新規採用者研修の実施やキャリアパス制度の導入など）や職場環境の改善（明確な給与体制や休暇の取りやすさ、フレックス勤務の導入による労働時間縮減、ICTの活用、仕事と家庭の両立のしやすさなど）です。
なぜなら、介護士の離職の主な原因は、事業所の理念や運営方法以外に、人間関係や結婚や出産によるものが多い傾向です。それらを改善することが働きやすい職場づくりには不可欠であり、離職を防ぐことにも繋がるからです。
また、この認証を受けた場合、厚生労働省のホームページで公表されるため、事務所のイメージアップにも繋がります。それによって求人に対する応募数が増え、人材不足の解消にも繋がるため、働いている職員のためにも、これから働く人のためにも意義深い制度だと言えます。
この認証制度は、各都道府県が介護事業者に対して評価を行い、認証する形となっています。その審査は公平性が求められるため、しっかりとした基準を作成し、それに基づいてヒアリングなどの丁寧な審査が行われます。
認証の有効期間は原則3年以内で、手続きすれば更新の申請ができます。この認証制度が全国へと広まっていくことによって、介護業界全体の職場環境が改善され、より良い介護サービスを提供できる事業所が増えていくでしょう。